これに対し、例えばテレビ放送は、いつどの番組を流すかは視聴者の意向や要求とは関係なく決められるため、オンデマンドとは言えない。
1990年代中頃に、ケーブルテレビ網や光ファイバー網にコンピュータシステムを組み合わせて、個々のユーザの要求に合わせて、見たいときに見たい映画を放送する「ビデオオンデマンド」(VOD:Video On Demand)システムが注目され、「オンデマンド」という言葉も広まった。
その後、インターネットの普及・発展に伴い、旧来のテレビなどの「お仕着せ」のメディアに対する優位点として、インターネット上のサービスのオンデマンド性がもてはやされ、一つのキーワードとなっている。
また、コンピュータや周辺機器の充実に伴い、読者の要求ごとに書籍を印刷・販売する「オンデマンド出版」など、インターネットとは直接関係ない分野でも、新たな形態のサービスを考える上での重要なファクターとして台頭しつつある。